大阪府庁の耐震改修工事に伴う左官工事を、2年近くの工期をかけて行いました。左官の伝統工法を巧みに使って建てた約90年前の建物を、そのまま再現するというご依頼だったため、非常に苦労をしました。

当社のベテラン左官職人が携わり、伝統工法に新しい工法をミックスし、90年前を再現できるように最善の努力を尽くしました。

外壁に関しては、「御影石調洗い出し仕上げ」を施しました。御影石の砕石を練り合わせたモルタルを上塗りし、それを洗い出して自然な風合いを再現するというものです。これはベテランの職人でないとできない、高い技術を要する仕事です。

90年前の庁舎だったので、建物自体が老朽化していたこともあり、それを復旧させる作業は容易ではありませんでした。しかし、20人ほどの左官職人が2年近くかけて、何とかやり上げたときの達成感は、とても大きいものがありました。

たとえば建物内部の壁には、「テラゾー（研ぎ出し）仕上げ」を行いました。テラゾー仕上げは、いま商業施設などでもよく用いられる人気の高い工法のひとつで、細かな自然石などを散りばめて個性的な空間を創ることができます。